アイルランド生まれの挿絵画家にしてステンドグラス・アーティスト、ハリー・クラークの挿絵より一枚。クラークがその芸術家としての人生の初期に手がけた仕事である、アンデルセンの絵本(1916年出版)の挿絵である。この直後に出版されたエドガー・アラン・ポーの短編集の挿絵で、クラークは挿絵画家としての名声を確かなものとすることになった。
ハリー・クラークはアール・ヌーヴォーとアール・デコ、双方の芸術運動の影響下にあったと言われるようだ。『サロメ』の挿絵で有名なオーブリー・ビアズリーの同時代人であり、たがいに比較されることが多い。双方、独特にグロテスクな絵を描くが、個人的にはクラークのほうがより近代的で、SF的なグロテスクさである気がする……って、この絵はそうでもないんだけれども。むしろカイ・ニールセンあたりに近いですな。
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